にゃんこままの部屋

その時々に感じたことを、日記風につづります。

七夕によせて≪私の好きな和歌≫

2006-07-07 23:21:40 | 日常 雑感
かささぎの 渡せる橋に おく霜の
  白きを見れば 夜ぞ更けにける   中納言家持


この和歌は「万葉集」の編者の一人、大伴家持の作った和歌で『百人一首』の6番目にはいっています。
家持の家柄は、武人として朝廷に仕える高い家柄で、家持も従三位中納言にまでなりましたが、藤原氏の勢力に押され晩年は不遇でした。

家持が寒い冬の夜、夜空を見上げて歌った和歌です。
「今は冬だが、あの夜空を見ていると、
七夕の夜 かささぎが 天の川に掛け渡す橋を思い起こさせるほど幻想的だなあ。
そういえば、あの橋は宮中の御橋にそっくりだ。歌によめないものだろうか。」
と思い、詠んだ歌といわれます。

歌の意味は
「七夕の夜、天の川にカササギが掛け渡すという天上の橋。
その橋のように見える宮中の階段に、霜が真っ白に降りているのを観ると、
夜は深深と更けていっているのだなあ。」

詠んだときの季節は霜の降りる寒い真冬でありながら、夜空を見上げる家持の心には七夕の季節の幻想的でロマンチックな伝説の光景が広がっていったのです。
季節を超えて、時空を超えて繰り広げられる、幻想的で壮大でロマンチックな世界に時間を忘れて浸りつつ・・・、ふと、現実に引き戻されて、宮中の階段に白い霜が降り積もっていく様子を眺めながら詠んだこの歌は、家持の歌の才能と、今の時代では推量できないほどの花鳥風月を肌で感じることの出来る万葉歌人の心意気が感じられます。

真冬に詠んでも、七夕の季節に詠んでも感動することの出来る、私の大好きな和歌の一つです。
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七夕

2006-07-07 12:32:59 | 日常 雑感
自分の子供が幼稚園にかようようになってから、笹の葉を近所の笹のあるお宅からいただいて、七夕の飾りを娘と一緒に創るようになった。
お願い事を描いて笹の葉にくくりつけるのである。
娘が幼稚園でも創って持って帰ってきた。それを、ベランダにくくりつけて、星に願い事をするのであるが、この時期梅雨であるので、7月7日の夜は雨のことが多い。どうやら今晩も星は見えないようである。

私の子供の頃は、夏休みの8月7日に地域の子供会で、七夕祭りをしていた。
公会堂に集まって、すいかや、アイスクリームや、お菓子を貰い、打ち上げ花火をしてもらった。
その時期は、夕立はよく降るものの晴れの日が多く、星はよく見えたものである。

旧の七夕に近いということもあり、8月7日の方が合っていそうである。
暑い夜、願い事を描いた短冊と一緒に、スイカの絵や、なす、キューリの夏野菜の絵を切り取って笹の葉や竹に、くくりつけた記憶がある。

七夕は、五節句のひとつで、本来は立秋を過ぎたころの、旧の7月7日に、行われる行事である。
3月3日の桃の節句や、5月5日の端午の節句と同じ意味合いをもつ。

それに中国から伝わった「織り姫と彦星」の伝説が加わってよりロマンチックなものになったのであろう。

我が国では、仙台の七夕祭りが有名だがそれも8月7日に行われる。

私が仙台の七夕祭りを知ったのは、さとう宗幸さんの「青葉城恋歌」からであるが、まだ訪れたことのない仙台へのあこがれを抱かせる歌であった。

仙台出身の有名人にも、何故か特別な気持ちを抱いた。というより仙台という都市が、素晴らしいから、優秀な人材が多く出るのかなと思ってしまう。

古くは伊達政宗公から、一番新しいところで荒川静香さん。荒川さんは仙台の生まれではないが、子供の頃から仙台にお住まいなので、仙台のひとといってもよいであろう。

山本周五郎原作の「もみの木は残った」の小説は、仙台藩を守るために江戸時代前期に仙台家老となった実在する人物(後世には悪人として伝えられた)原田甲斐を、別の解釈からとらえて、その功績をたたえている。

宝塚歌劇団のトップスターであった仙台市出身の杜けあきさんも、優れた演技力と共に独特な魅力で印象深いスターさんであった。
「華麗なるギャッピー」の最後のギャッピーの演技は、最高に素晴らしいと思った。
私は杜けあきさんのトップを最後にヅカ通いを絶った。
これほどのスターさんに巡り会えたのだからもう悔いはないと思ったのである

その仙台だが、今年は荒川さんの活躍で湧いたためか、もう、荒川さんを思わせるような七夕の雰囲気で沸き立っている。



7月7日に、雨で織り姫と彦星が会えなくても(伝説では、天の川の洪水でもカササギが列となって二人をさし渡したとあるが)、旧の7月7日、あるいは8月7日と、3回七夕があれば、いずれかで織り姫と彦星の二人は天の川で会えることだろう。



コメント (14)
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